自費の不妊治療は増えていますか?産婦人科医130人にアンケート調査

自費での不妊治療に切り替える?
不妊治療で自費治療に移行するケースは、7割以上の医師が「増えている」と回答しました。また、不妊治療で自費にうつる時期は、「半年以上〜1年未満」が最多で、次に「1年以上〜2年未満」および「半年未満」でした。「2年以上」を選んだ医師は少数に止まりました。
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「不妊治療」についてインターネットで調べると、様々な病院のホームページが出てきますが、見ていると成功報酬型という病院もあれば、不妊治療専門病院と掲げる病院もあります。

「あれ?病院って成功報酬型なの?」と思う方もおられるかもしれませんが、不妊治療では、保険適応の治療と自費の治療があるようなのです。

自費の治療は、例えば人工授精、体外受精、顕微受精などがあります。

実際、不妊治療で自費に移行する時期や患者さんの数って、どんな状況なのでしょうか?産婦人科の医師に、アンケート調査を行いました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年5月26日〜5月31日にかけて行われ、産婦人科医130名から回答を頂きました。

まず、調査に出てくる不妊治療の用語について確認しましょう。

人工授精は、用手的に採取した精液から運動している成熟精子だけを洗浄・回収して、上記の妊娠しやすい期間に細いチューブで子宮内にこれを注入して妊娠を試みる方法です。

生殖補助医療には、体外受精と顕微授精がありますが、いずれも経腟的に卵巣から卵子を取り出して(採卵)、体外で精子と受精させ、数日後に受精卵を子宮内に返します(胚移植)。

引用:日本生殖医学会

つまり、人工授精は人工的に体内で受精を試みる方法、体外受精・顕微授精は、体外で受精を試みる方法のようです。

さて、アンケート調査では、人工授精、体外受精、顕微受精など自費治療にうつるケースは増えているのか聞きました。
結果は、以下の通りです。

図1

不妊治療で自費にうつるケースは、増加傾向

  • 30代男性 産婦人科
    受診する患者さんの経済環境にもよると思いますが、初婚年齢の上昇に伴い、徐々に増えていますし、こちらからも早めにオススメしないと後がないと思うことがあります。
  • 80代男性 産婦人科
    多額の費用を使っても、(子宝に)恵まれない人も大勢いるので、安いに越したことは無いし、最近は人工授精が増えていると思います。
  • 40代男性 産婦人科
    間違いなく、体外受精に進む人は増えています。件数が増えて、費用以外のハードルが下がっているのだと思います。
  • 60代女性 産婦人科
    不妊治療をはじめる年齢が高くなっているので、高度な生殖補助医療に移行するのは早くなるでしょう。
  • 40代男性 産婦人科
    不妊治療をはじめる年齢が上がっているので、必然的にART(生殖補助医療)に移行する可能性が高いです。
  • 40代女性 産婦人科
    年齢的な要因で、早めにステップアップした方がいい方が増えていると思います。

不妊治療で自費治療に移行するケースは「増えている」と回答した医師が7割以上に及びました。
コメントからは、初婚年齢の上昇や、不妊治療に入る年齢が上がっているといった影響がありそうです。

さて、そんな自費治療の移行のタイミングについても聞いてみました。

図2

不妊治療で自費にうつるのは、半年以上〜1年未満が最多

  • 40代女性 産婦人科 半年以上〜1年未満
    これまでの一般不妊治療の期間や方法、不妊の原因が指摘されているかどうか、経済的問題、何より患者さんの年齢などでステップアップまでの期間はそれぞれです。
  • 30代男性 産婦人科 半年以上〜1年未満
    一般的にタイミング療法6周期、その後、AIHやARTにステップアップします。当院の場合、ART(生殖補助医療)は他院に紹介なので、当院でできる範囲でお願いされる場合は1年以上タイミング指導する場合もあります。
  • 40代女性 産婦人科 半年以上〜1年未満
    基本的には当院では体外受精はしていませんので、6か月タイミング指導をしたのちは人工授精をすすめています。年齢によってもことなりますが。
  • 40代女性 産婦人科 半年以上〜1年未満
    本人とよく話し合うことにしています。年齢が35歳未満でも、途中でやめてもいいので、一度ART(生殖補助医療)について詳しく知っておき、選択してもらいます。
  • 50代女性 産婦人科 半年以上〜1年未満
    治療開始年齢にもよりますが、余り粘るのは妊娠の機会を逃してしまうと思うので、積極的に体外受精等を勧めています。
  • 40代女性 産婦人科 半年未満
    年齢や患者さんの状態にもよりますが、ご夫婦が納得したタイミングが(自費治療の)はじめ時だと思います。
  • 50代女性 産婦人科 1年以上〜2年未満
    不妊専門医に紹介するときも、本人がどれだけの治療を望んでいるかしっかり確認が必要です。
  • 60代男性 産婦人科 1年以上〜2年未満
    通常のコースで治療を進めると患者さんの年齢にもよりますが、こんなもの(1年以上〜2年未満)ではないでしょうか。

不妊治療で自費にうつるタイミングは、「半年以上〜1年未満」が最多で、次に「1年以上〜2年未満」および「半年未満」であり、「2年以上」を選んだ医師は、少数に止まりました。

コメントでは、「1年くらいやっていると、妊娠する方と困難な方と分かれてきます」や「タイミング療法を5~6回したあたりで」と、医師のなかでも目安がありそうです。

また全体的にコメントを見ていると、不妊治療をしている産婦人科の医師は、不妊の原因、分娩歴、これまでの臨床経験、ご夫婦の希望、年齢、経済状況などを踏まえた上で治療方針を決定していく印象でした。

「長く診療を続けると、患者さんが高齢になってしまう恐れがある」というコメントが示す通り、産婦人科の医師も不妊治療をしていくなかで、年齢や時期に意識を置いていることが伺えます。

自費の不妊治療は、増加傾向。移行時期は、主治医とよく相談を。

本調査によると、不妊治療で自費治療に移行するケースは、7割以上の医師が「増えている」と回答しました。

また、不妊治療で自費にうつる時期は、「半年以上〜1年未満」が最多で、次に「1年以上〜2年未満」および「半年未満」でした。「2年以上」を選んだ医師は、少数に止まりました。

全体的にコメントを見ていると、不妊治療をしている産婦人科の医師は、不妊の原因、分娩歴、これまでの臨床経験、ご夫婦の希望、年齢、経済状況などを踏まえた上で治療方針を決定していく印象でしたので、主治医とよく相談することが大事そうです。

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