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妊娠中は痔になりやすい!?産婦人科医157人に聞きました

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本調査によれば、妊娠中は痔になってしまう可能性があるようです。また、多くの産婦人科医が、出産時よりも分娩後に痔が悪化した際のケアの重要性を主張していました。できるだけ妊娠時の手術を避けるためにも、大事に至る前に、恥ずかしがらずに産婦人科医に相談しましょう。
妊娠・出産・不妊の悩み
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これまでは、痔に無縁だったのに妊娠中に痔になってしまった…なんて方はいませんか?
ただでさえお腹に赤ちゃんがいて、出産のことで大変な時期に痔の痛みという苦痛を味合わなければならない…。
そもそも、痔になってしまって出産に影響はないのか??
妊娠時の痔を予防する方法は??
などなど。

今回は、産婦人科医訳150名の方にアンケート調査を実施し、痔でお悩みの妊婦さんに役立つ情報をご紹介したいと思います。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月3日から同年8月7日にかけて行われ、157名から回答をいただきました。

 

妊娠中に痔になった妊婦さんを経験した医師は約半数

図1
  • 50代 男性 産婦人科医 「痔になった方は約半数程度だった」
    女性の方たちばかりなので、積極的には訴えてきませんが、妊娠10か月に入って内診などを行うと、かなりの方が脱肛です。
  • 50代 男性 産婦人科医 「ほとんどの方が痔を経験していた」
    実際に妊婦さんの70~80%は痔になっていると思われます。
  • 50代 男性 産婦人科医 「ほとんどの方が痔を経験していた」
    腹部が大きくなることによりうっ血が痔を悪化させることがあります。
  • 50代 女性 産婦人科医 「痔になった方はあまりいなかった」
    脱肛という感じで出ているのは半数くらい。内痔核や裂肛は少ない印象です。
  • 60代 男性 産婦人科医 「痔になった方はあまりいなかった」
    正確な割合はわからないですが妊娠すると便秘になり易く、その結果痔が悪化する人がいます。
  • 30代 女性 産婦人科医 「痔になった方はあまりいなかった」
    比較的出産時に痔になる方が多いと思います。

「妊娠中に痔を経験した妊婦さんの割合」を医師157名に聞いたところ、
「ほとんどいなかった」が45%で最も多い結果となりましたが、一方で「痔になった方は約半数程度だった」が34%、「ほとんどの方が痔を経験していた」が17%という結果になりました。
つまり、半数以上の医師が「妊婦の方が痔になる」と回答していたことになります。

また、「ほとんどいなかった」と回答している医師でも「2~3割程度は痔になる方がいる」、「恥ずかしさから申告しない妊婦さんも一定数いる」、というコメントが多くみられたので、やはり妊娠中は痔になりやすい傾向があると言えそうです。

妊娠時に最もかかりやすいのは「外痔核」

痔は、代表的なものだと激しい痛みを伴う外痔核、比較的痛みの少ない内痔核、その他にも裂肛切れ痔)、痔ろうとあります。

とある医療機関によれば、それぞれの病気は、次のように説明されていました。

  • 「痔核」は「イボ痔」ともいわれ、肛門を閉じるクッション部分がうっ血して腫れあがり、排便時に出血するものです。放置すると痔核が肛門の外に脱出する「脱肛」を引き起こします。「痔核」には歯状線より内にできる「内痔核」と外にできる「外痔核」に分類されます。
  • 裂肛は、肛門の入り口の皮膚潰瘍で、排便時にひどい痛みを来します。
  • 痔瘻(じろう)は直腸と肛門の境目のくぼみから細菌が感染して化膿し、膿(うみ)の管ができた状態です。

引用:肛門科|診療科のご案内|洛和会音羽病院(京都市山科区)-救急指定病院

このように一言で痔と言っても様々な状態があるようです。

今回は、妊娠時にかかりやすい痔の種類について、医師に調査をしたところ以下のようなランキングになりました。

図2
  • 30代 女性 産婦人科医 外痔核
    静脈還流障害によることが多いかなと思います。あとは切れないようにマグネシウム製剤で柔らかくして便秘を予防しているので、外に出るタイプが一番経験します。
  • 70代 男性 産婦人科医 外痔核
    血液循環の問題であり、殆どの方が外痔核です。
  • 60代 女性 産婦人科医 外痔核
    静脈うっ滞と腹圧によります。
  • 60代 男性 産婦人科医 外痔核
    症状が重症化する患者さんは、ごく少数ですが分娩後のお手入れが大切です。
  • 50代 男性 産婦人科医 外痔核
    外痔核が診断されやすいです。
  • 50代 男性 産婦人科医 外痔核
    裂肛 痔ろうはほとんど経験がありません。

調査の結果、9割以上の医師が外痔核をあげており、続いて多かったのは、内痔核でした。
両方とも一般的に「いぼ痔」とよばれている種類の痔ですが、妊娠に伴って血流がうっ滞することや腹圧によって発症してしまうようでした。

「切れないようにマグネシウム製剤で柔らかくして便秘を予防している」という医師のコメントもありましたたが、どうやら酸化マグネシウムという薬が妊娠中の便秘では処方されているようでした。

なかには、痔の専門家ではない産婦人科医にとっては内痔核の場合は診断が難しいというコメントも見られましたので、このあたりは肛門科や消化器外科の医師の方が詳しいかもしれませんね。

こうした痔の対処方法について詳しく知りたい方は、以下のイシコメ内の関連記事を参照してみてください。

<関連記事> 妊娠中の痔の対処と予防について 産婦人科医150人に聞きました 

妊娠時の痔の出産への影響はかなり小さい

続いて、妊娠中の痔は、出産に影響があるのでしょうか?
こちらについても聞いてみました。

図3
  • 50代 男性 産婦人科医 あまり支障はない
    妊娠中にできた痔が、分娩に差し支えるほどのことはほとんどありません。
  • 50代 女性 産婦人科医 ほとんど支障はない
    出産後に痔がひどくなることはあるけれど、出産そのものに支障はないです。
  • 40代 男性 産婦人科医 あまり支障はない
    分娩で痔がさらに悪化することがあります。
  • 40代 男性 産婦人科医 多少支障がある
    あまり大きい痔核があると、やはり出血がふえたり、産後にひどくなったりします。
  • 50代 女性 産婦人科医 多少支障がある
    一人だけ脱肛が重傷で帝王切開になった患者さんの経験があります。

約8割の医師が、分娩時に痛みを伴うが妊娠時の痔は出産に「あまり支障はない」「ほとんど支障はない」と回答していました。
一方で、出産時には影響はないものの、出産の影響で分娩後に痔が悪化するケースがあるというコメントも多数寄せられました。
そのため、妊娠時に痔になってしまった場合には、出産時よりも出産後の生活に支障をきたす可能性が高いので注意が必要です。

妊娠中の痔の手術による胎児への影響はほとんどない

痔の痛みに耐えきれずに、妊娠中に痔の手術をすることになってしまった場合、一番気になるのが「痔の手術による胎児への影響」です。
そこで産婦人科医約150名に調査したところ、ほぼ全ての医師が「手術による胎児への影響は全くない」「手術による胎児への影響はあまりない」と回答しました。

図4
  • 60代 男性 産婦人科医 「手術による胎児への影響は全くない」
    解剖学的にも影響は無いです。薬剤も選択すれば、影響は軽微です。
  • 40代 男性 産婦人科医 「手術による胎児への影響は全くない」
    手術自体は問題がないが、分娩があまりに近いと分娩時の損傷が気になるので、産後まで保存的にみることが多いです。
  • 40代 男性 産婦人科医 「手術による胎児への影響はあまりない」
    手術による胎児への影響はあまりないですが、手術を積極的には勧めません。
  • 70代 男性 産婦人科医 「手術による胎児への影響は少しある」
    原則妊娠中に手術は避けるべきです。

このように、たとえ手術による胎児への影響がほとんどないとしても、妊娠中の手術は何が起こるかわからないためできるなら避けたいところ。
実際の現場では、手術をしなければならないほど症状が悪化するケースはごく稀とのことですが、万が一の場合に備えて、早めの受診・予防が重要そうです。

妊娠時の痔は誰にでも起こりうる

本調査によれば、妊娠中は痔になってしまう可能性があるようです。
また、多くの産婦人科医が、出産時よりも分娩後に痔が悪化した際のケアの重要性を主張していました。
特に妊娠中は、痛みを伴う「外痔核」になってしまう方が多いので、手術をしなければならないほどの大事に至る前に、恥ずかしがらずに早めに産婦人科医に相談しに行くようにしましょう。

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