妊娠中と産後の痔の原因について 産婦人科医150人に聞きました

悩む女性
本調査では、妊娠中の痔の原因は便秘であるという結果になりました。妊娠中だけでなく、分娩後も妊婦さんを悩ませ続ける痔。もし妊娠中に痔になってしまったらまずは産婦人科の主治医に相談してほしい、というのが産婦人科医の見解です。
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妊娠中は痔になりやすい!?産婦人科医150人に聞きました」の記事で、妊娠と痔の関係についてご紹介しました。
しかし、妊娠中はどうして痔になるの?や、痔になったら産婦人科か肛門科かどちらに行くべき?などまだたくさんの疑問を抱えている妊婦さんの方もおられるのではないでしょうか。そこで、今回は「妊娠中と産後の痔の原因」に焦点をあて、産婦人科医にアンケート調査を実施しました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年8月4日〜8月8日にかけて行われ、産婦人科医157人から回答を頂きました。

まずは妊娠中の痔の原因についてです。

産前の痔の主な原因 第1位は「便秘」

図1
  • 60代 男性 産婦人科医 便秘
    消化管運動の低下から生じる便秘が主な原因だと思います。
  • 40代 男性 産婦人科医 便秘
    便秘が主な原因だと思うので、酸化マグネシウムなどを早めに処方するよう、心掛けています。
  • 50代 男性 産婦人科医 血行不良
    子宮の増大による血行障害が要因だと思います。
  • 40代 男性 産婦人科医 便秘・血行不良
    増大した子宮による静脈還流の障害と、経腟分娩に際し、児頭がうっ血や肛門の過伸展を惹起することが原因だと思います。
  • 50代 女性 産婦人科医 血行不良
    子宮が大きくなるにつれ、下肢の血行が悪くなることが原因だと思います
  • 60代 男性 産婦人科医 運動不足
    大きな子宮による圧迫、運動不足などが複合的に絡んでいると思います。

妊娠中の痔の原因について、産婦人科医の約7割が「便秘」と回答しました。
実際に、妊娠中に便秘に悩まされた方も多いのではないでしょうか。
医師の中には、痔の外用薬とともに整腸剤を処方するという方もいらっしゃいました。
それだけ痔と便秘の関連性は強いということがうかがえます。

続いて多かったのが、「血行不良」です。
便秘も血行不良も、妊娠により子宮が大きくなることで生じてしまう身体の不調とのコメントが多く寄せられました。

「分娩時のいきみ」によって産後も痔ができる⁉

次は出産後です。
一般的に、出産後は妊娠中にできた痔が回復傾向に向かうと言われていますが、産後新たに痔ができてしまった…というケースが多々報告されています。
一体なぜなのでしょうか。
産後にできる痔の原因についてアンケートで聞いてみました。

図2
  • 60代 男性 産婦人科医 分娩時のいきみ
    分娩時のいきみで、それまでは痔がなかった人が急に痔になった経験があります。
  • 40代 男性 産婦人科医 分娩時のいきみ
    いきみによって一時的に増悪する人はいます。便秘があっても痔になるまえに対応するので、あまりそれによっては起きないです。
  • 40代 女性 産婦人科医 分娩時のいきみ
    分娩第二期で怒責をかける必要があるのと児頭の下降によって圧迫されることで、痔ができます。
  • 50代 男性 産婦人科医 便秘
    産後引き続きの便秘と、授乳による便秘などが原因だと思われます。
  • 70代 男性 産婦人科医 腹筋の筋力低下
    産後に産褥体操を勧めたところ、結果は良好でした。                 

最も多かったのは「分娩時のいきみ」で、産婦人科医の約8割が主な原因として挙げていました。
分娩時のいきみにより、それまで痔がなかった人に急に痔ができてしまった…というケースもあるようです。
また、もともと便秘体質だった方にとっては、授乳による水分不足でさらに便秘気味になってしまうことも大きな原因としてあげられています。
産後も痔になってしまう可能性が高いという一方で、出産を通してできてしまった痔は、産褥期に入れば完治する方がほとんどというコメントも多数見られました。

痔ができたらまずは「産婦人科の主治医」に相談

もし、妊娠中に痔ができてしまったら、「産婦人科」に行けばよいのか、それとも専門医である「肛門科」に行くべきなのか、もしくは自分で市販薬を購入して治癒するのを待てばよいのか…悩みどころですよね。

本調査の結果、一番多かったのは「産婦人科」への受診で約8割の方が選択していました。
続いて多かったのが、「肛門科」の受診でした。

図3
  • 60代 男性 産婦人科
    妊娠との絡みと使える薬剤の問題があるのでまず産婦人科で相談して、必要なら肛門科に紹介してもらうのが良いと思います。
  • 60代 男性 産婦人科
    薬で治る場合は産婦人科で診ています。ひどいときは外科の受診をお勧めしています。
  • 60代 男性 産婦人科
    まずは、産婦人科で診察してもらってください。産後3〜4ヶ月経過しても、有症状の痔核は肛門科を受診するように指導しています。
  • 50代 男性 産婦人科・肛門科
    難治性の場合は、肛門科で、一度診てもらえばいいですが、検診で通っている産婦人科で、内診の時に、診察してもらえばいいと思います。
  • 40代 女性 その他
    産後の1ヶ月検診まではみますが、それ以降も症状が収まらない場合は外科を紹介していました。

ほとんどの医師が、妊娠中は「まずは産婦人科へ」とコメントしていました。
妊婦さんの場合、他科やドラッグストアなどでは薬の処方を断れられることが多いという傾向があるため、妊娠中に痔になってしまった場合はまずは産婦人科の主治医に相談してみるのがオススメです。
また、外用薬などで対処できない場合は、肛門科を紹介するという見解も多数みられました。

妊娠中の痔は症状の悪化に気を付けましょう

妊娠中の痔は、血行不良や便秘など多くの複雑な要因によって引き起こされる症状です。
さらに産後も分娩時のいきみなどで痔になりやすいようでした。
痔による痛みを少しでも緩和するために、適切な処置・予防を心がけ、もし妊娠中に痔になってしまったら、必ず産婦人科の主治医に相談するようにしましょう。

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