妊娠の葉酸・サプリメントについて産婦人科130人に聞きました

サプリメント
二分脊椎予防のためには、葉酸を妊娠前から摂取し、妊娠初期〜中期まで続けるのが望ましいという結果になりました。産婦人科医が妊娠で薦めるサプリメントのTOP3は「葉酸、鉄剤、カルシウム」となりましたが、医師によっても見解が分かれ、葉酸以外のサプリメントは主治医の先生と相談して決めるのがよさそうです。
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妊娠を検討する女性は、早めに葉酸を摂取した方がいいって知っていましたか?
農林水産省のホームページでは、「葉酸は、細胞の分化に不可欠なので、妊娠初期の胎児には特に重要」とあります。

参考:妊婦さんに大切なビタミン、葉酸:農林水産省

このように葉酸を摂取することで、赤ちゃんが二分脊椎や無脳症といった神経管閉鎖障害の予防ができると言われていますが、実際にいつから飲んで、いつまで服用したらよいものなのでしょうか?
また、他にも鉄やビタミンなどサプリメントがあるものの、医師が実際に現場で薦めているものってあるのでしょうか?

今回は、妊娠の葉酸とサプリメントについて産婦人科医にアンケート調査を行いました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年7月24日から同年7月28日にかけて行われ、135名から回答をいただきました。

まずは、二分脊椎を予防するために葉酸を飲むのはいつからがいいのか聞きました。

図1

妊娠前から葉酸を摂るのが理想的

  • 50代男性 産婦人科 妊娠前から
    妊娠の1ヶ月以上前から、との推奨は世界標準であり、臨床医が決めるものではありません。予防に関するガイドラインは、多くの患者の統計から導き出されます。欧米ではシリアルなどに加えてあって、推奨を知らなくても、自然に葉酸が摂取できるように考えられています。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠前から
    妊娠前に補っておかないと効果はないのでは?日本に二部脊椎が少ないのはやはりのりや納豆など日本食に葉酸が含まれているからと思います。
  • 60代女性 産婦人科 妊娠前から
    食生活が乱れている方は早めの指導が大切です。食事から葉酸をとれる方には、あえてサプリまで必要ないかと思います。
  • 60代女性 産婦人科 妊娠前から
    初期と言うよりも、妊娠を希望する若い女性は妊娠に関係なく摂取することが良いのでは。通常妊娠する可能性のある年齢の人は皆さんサプリとまでいかなくても、食事で十分摂取することが望ましいです。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠前から
    理想的には妊娠前からですが、妊娠のごく早期からでも間に合う可能性はあるかと思います。
  • 30代男性 産婦人科 妊娠前から
    二分脊椎既往の方は妊娠前より内服していただいた方がいいです。
  • 40代女性 産婦人科 妊娠前から
    不妊の患者さんには妊娠前からの摂取をすすめています。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠初期
    通常の食生活をしている妊婦さんでは経験したことがありません。

葉酸は、妊娠前から摂るのが理想というのが、産婦人科医の大半の意見でした。
妊娠を希望される女性は、前もって葉酸を摂取することが一番のようです。
医師のコメントからは、「妊娠の1ヶ月以上前から」とあり、飲み始めの目安にしてもらえればと思います。
また、「通常の食生活に葉酸が含まれている」という医師のコメントもあり、もし葉酸を飲んでいなくて妊娠が発覚しても焦らず、すぐに飲み始めることが大事そうです。

次に、飲み始めた葉酸は、妊娠のどの時期まで飲むといいのか聞きました。

図2

二分脊椎予防には妊娠初期〜中期まで服用が推奨

  • 30代男性 産婦人科 妊娠中期まで
    ガイドラインでは後期まで飲むと早産や妊娠高血圧予防に効果が期待できるとあるので(妊娠中期)以降は患者に任せています。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠中期まで
    実際に二分脊椎がわかるのは、妊娠中期からです。ただし、その運命は妊娠初期あたりまでで決まると思われます。
  • 30代女性 産婦人科 妊娠初期まで
    葉酸予防のためには初期で十分でしょう。妊娠後期に葉酸を摂取すると喘息のリスクが増えるといった報告もあり、漫然と内服を継続するのもどうかなと思います。
  • 30代女性 産婦人科 妊娠初期まで
    二分脊椎予防という意味では初期までで問題ないと思います。神経発達の意味合いで、飲み続けることをおすすめしています。
  • 30代女性 産婦人科 妊娠初期まで
    二分脊椎予防のためという意味では初期まで、でも貧血の予防にもなるので飲み続けて悪いことはないです。
  • 50代女性 産婦人科 妊娠後期まで
    口唇裂などのリスクや妊婦本人の貧血予防に後期まで内服するのが良いと思います。
  • 40代男性 産婦人科 出産まで
    二分脊椎の予防だけなら妊娠初期で良いのですが、一応貧血予防のため分娩近くまで摂った方がよいと説明しています。
  • 40代男性 産婦人科 出産まで
    脊椎の完成は妊娠中期にはされていますが、健康上問題がなければ分娩まで服用可能かと考えます。

二分脊椎予防のために葉酸は妊娠初期〜中期まで飲み続けることが推奨という結果でした。
医師のコメントで「二分脊椎がわかるのは、妊娠中期から」「脊椎の完成は妊娠中期にはされている」とあり、それまで葉酸を補充して二分脊椎の発症を防ぐという意味があるようです。
「他の病気の予防まで考えると妊娠後期や出産後まで飲み続けるのも1つ」という医師のコメントもみられましたが、一方で「妊娠後期に葉酸を摂取すると喘息のリスクが増えるといった報告もある」とのことで、医師のなかでも見解が分かれていました。

さて、ネットで心配の声が上がっていたのが、葉酸の飲み忘れです。
飲み忘れると二分脊椎発症のリスクを上げることは否めませんが、実際の産婦人科の現場ではどうなっているのでしょうか?
葉酸を飲んでいないケースは、実際に二分脊椎になったのか聞いてみました。

図3

葉酸を飲み忘れてほぼ影響はなかったが、一部経験した医師も

  • 50代男性 産婦人科 ほとんど影響はなかった
    葉酸を積極的にとっている方は、実際には少ないです。食事の栄養バランスを考えながら、その中で摂取している方がほとんどです。
  • 50代男性 産婦人科 ほとんど影響はなかった
    元々、発症確率が低いので、目に見えて予防効果がわかるものではありません。
  • 40代男性 産婦人科 ほとんど影響はなかった
    二分脊椎症例の経験はありますが、それが葉酸を内服していなかったことに由来しているのかどうかわかりません。
  • 40代女性 産婦人科 ほとんど影響はなかった
    神経管の形成異常の経験は1例のみです。この人は(葉酸を)内服していませんでした。

葉酸を飲み忘れていても、経験上ほとんど影響はないという回答でした。
もともと発症確率が低いため、葉酸を飲み忘れていて二分脊椎になった事例は、稀のようです。
しかし、一部の医師は二分脊椎に遭遇した経験があるようで、赤ちゃんが二分脊椎になってしまうことを考えるとやはり予防に努めることは重要のようです。

最後に、葉酸以外にもサプリメントって色々ありますよね?
産婦人科の医師が現場で勧めているサプリメントについても聞いてみました。
結果は、以下の通りです。

サプリメントTOP3は、「葉酸、鉄剤、カルシウム」

  • 40代女性 産婦人科 葉酸
    葉酸に加え、お好みでしたら鉄やビタミンは、過剰による悪影響はないと考えていますので、内服をお止めすることはありません。
  • 60代男性 産婦人科 葉酸
    病的状態には処方しますが、症状ない場合にも薦めるかと言われるとその他は食事の範囲内と考えます。
  • 40代女性 産婦人科 葉酸
    エビデンスとしてあるもののみ紹介しています。マルチビタミンとして摂っても良いと説明しています。
  • 30代女性 産婦人科 葉酸
    人それぞれの生活スタイルがあると思うので、過剰摂取になるのは良くないと思います。
  • 40代女性 産婦人科 葉酸、鉄分、ビタミンB12
    軽度の貧血の方には鉄材のサプリを進めますし、末梢のしびれがある方にはビタミンB12を勧めています。
  • 50代男性 産婦人科 カルシウム
    ほとんどは日常の食事の中で摂取可能です。ただしカルシウムは不足しがちになり、妊娠30週以降の妊婦の足つりの原因になるため、摂取を促しています。

医師が薦める妊娠のサプリメントTOP3は、葉酸、鉄剤、カルシウムという結果でした。
この調査は複数選択肢で、ほとんどの医師が葉酸を選択しており、鉄、カルシウム、ビタミンなどは食事の範囲で摂るべきという医師と、過剰摂取しすぎなければサプリメントの補充も可という医師に分かれました。
いずれにしても葉酸は摂取してもらい、その他のサプリメントは主治医の先生と相談してから決めることをお勧めします。

葉酸や鉄剤は、適切に摂取をして健やかな妊娠を

本調査では、
二分脊椎予防のためには、葉酸を妊娠前から摂取し、妊娠初期〜中期まで続けるのが望ましいという結果になりました。
産婦人科医が妊娠で薦めるサプリメントのTOP3は「葉酸、鉄剤、カルシウム」となりましたが、医師によっても見解が分かれ、葉酸以外のサプリメントは主治医の先生と相談して決めるのがよさそうです。

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