前置胎盤の時期に関する疑問について産婦人科医150名に聞きました

赤ちゃんと妊婦さん
前置胎盤は、妊娠30週前後に決まるというのが最多の意見で、胎盤の位置が変わるため妊娠週数の早い時期では確定ができない、というのが産婦人科医の総意でした。基本的に全例が帝王切開になるようで、妊娠35-37週頃に帝王切開を行うことが多いようです。
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ハイリスク妊娠の1つとされる前置胎盤。
前回の調査でも「慎重に超音波で経過観察をする」という産婦人科医のコメントがみられましたが、出血がひどいと、母子ともに危険な状況になる可能性があります。
そんな前置胎盤が診断をされるのは、いつ頃なのでしょうか?また、帝王切開になると聞きますがいつ頃に行われるのでしょうか?
今回は、前置胎盤の時期に関するあれこれを産婦人科医に聞きました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年8月3日〜8月4日にかけて行われ、産婦人科医152名から回答を頂きました。

まず、前置胎盤が確定するのはいつ頃なのかを聞いてみました。

図2

前置胎盤は、おおよそ妊娠30週前後までに確定

  • 40代女性 産婦人科医 妊娠28〜31週
    20週で胎盤の位置は評価しますが、その時点で低くても前壁の胎盤は上昇が期待できると思っています。後壁の胎盤はなかなか上がりにくいので患者様にもそのようにお話しして30週頃には確定しています。
  • 60代男性 産婦人科医 妊娠28〜31週
    学問的には24週を超えれば診断が確定しますが、低置胎盤か辺縁かは週数がいかなければわかりません。
  • 60代男性 産婦人科医 妊娠28〜31週
    大体は28週あたりで予告出血がありますが、それまでに超音波で危険な人をピックアップしています。
  • 50代男性 産婦人科医 妊娠32〜35週
    妊娠中期には前置胎盤を疑っていても、次第に子宮が大きくなると相対的に胎盤の位置が変わって、異常なしになるので、早い時期には確定できません。
  • 50代男性 産婦人科医 その他
    全前置胎盤であれば20週くらいでも診断がつくものもあれば、辺縁前置胎盤などは30週を超えても確定しにくいこともあります。

前置胎盤が決まるのは、おおよそ妊娠30週前後が最多の意見でした。
子宮口にかかるか、かからないか、という位置が重要なようで、その妊婦さんの状態によっては確定する時ともう少し経過をみてから確定する時があるようです。
医師のコメントからは、全前置胎盤という胎盤が完全に子宮口を塞いでしまう重症のタイプだと、早い週数で確定することもあるようでした。
いずれにしても、胎盤の位置が変わるため妊娠週数の早い時期に確定ができないというのが産婦人科医の総意でした。

さて、前置胎盤の際は帝王切開になると聞きますが、実際どうなのでしょうか?
こちらも聞いてみました!

図4

前置胎盤は、ほぼ帝王切開になる

  • 50代男性 産婦人科医 大いにある
    警告出血の後、妊娠37週以降まで持たせられずに、小児科の先生にお願いして立ち会っていただき、緊急帝王切開になったりします。
  • 50代男性 産婦人科医 大いにある
    分娩が近く、辺縁前置胎盤で、出血量も少ない症例では経腟を続行しますが、それ以外では殆どが帝王切開になります。
  • 40代女性 産婦人科医 大いにある
    低置胎盤でなく、前置胎盤であればほぼ全例帝王切開です。帝王切開でも出血のリスクが高い症例です。
  • 30代男性 産婦人科医 大いにある
    自分が診断した前置胎盤で帝王切開にならなかった症例は経験したことがありません。
  • 40代女性 産婦人科医 大いにある
    自己血輸血や塞栓など準備をして帝王切開に臨みます。

前置胎盤は基本的に全例が帝王切開になるというのが、産婦人科医の総意でした。
出血のリスクが高く、安全のために帝王切開となる症例が多いようです。
「自己血輸血や塞栓など準備をして帝王切開に臨む」といったコメントもあり、前置胎盤に関しては産婦人科医の方もかなり気を使った診療をしていることが伺えました。

最後に、帝王切開になる時期はいつ頃が多いのか聞きました。

図5

前置胎盤は妊娠35-37週頃に帝王切開が多い

  • 40代女性 産婦人科医 妊娠35〜37週
    全前置胎盤は37-38週、前置癒着胎盤が疑われる症例ではもっと早くに設定することもあります。警告出血で入院した場合は出血時期によるのでまちまち。
  • 60代男性 産婦人科医 妊娠35〜37週
    出血したら即帝王切開ですから、32週未満でもあり得ます。頻度としては予定日より少し前が多くなります。
  • 30代男性 産婦人科医 妊娠35〜37週
    36週前後で頸管熟化が進むと警告出血が出やすいので36週台で帝王切開を予定することが多いです。
  • 30代男性 産婦人科医 妊娠35〜37週
    出血開始前、早産ではない時期、が目標ですが、早産期の帝王切開を余儀なくされることが多いです。
  • 50代男性 産婦人科医 妊娠35〜37週
    妊娠37週以降まで持たせたいのですが、ぎりぎり持たなかったりすることが結構あります。
  • 30代男性 産婦人科医 妊娠35〜37週
    妊娠37、38週を予定としておいて、後は状況により臨時でも対応できるようにしています。

前置胎盤は、妊娠35-37週頃に帝王切開を行うことが多いという結果になりました。
時期が進んでしまうと出血しやすくなるようで、産婦人科医も早産にならない、出血しないような時期に予定帝王切開を行うよう診療を進めて行くようです。
しかし、状態によっては予定していた時期まで間に合わず、帝王切開になってしまうことがあるようでした。

前置胎盤は、妊娠30週前後の確定が多く、37週前後で帝王切開

本調査によれば、前置胎盤は、妊娠30週前後に決まるというのが最多の意見で、胎盤の位置が変わるため妊娠週数の早い時期に確定ができないというのが産婦人科医の総意でした。
また、基本的に全例が帝王切開になるようで、妊娠35-37週頃に帝王切開を行うことが多いという結果になりました。しかし、状態によっては予定していた時期まで間に合わず、帝王切開になってしまうことがあるようです。
前置胎盤は、自覚症状が乏しいものの、ハイリスク妊娠として位置付けられているため、 妊婦さんの方も主治医とこまめに相談して慎重に対応していくことが重要だと思われます。

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