産後の体重と基礎代謝について 産婦人科医154名に聞きました

ウエスト 測定
本調査によれば、妊娠中に増加する体重の目安は10kg前後、分娩直後に減少する体重の目安は5kg前後という結果になりました。基礎代謝については、産前と産後に大きな変化は見られないという意見が最も支持されました。
妊娠・出産・不妊の悩み
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出産を機に、妊娠前と体型が大きく変わってしまった…
増えすぎた体重が出産後も全然戻らない…
このように、妊娠中に増えてしまった体重に悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。
これから出産を考えている方にとっても、出産による体重・体型への影響は気になるトピックだと思います。
そこで、今回は妊娠中と産後の体型のなかでも、

  • 妊娠中にどれくらい体重増加するのか?
  • 出産直後はどれくらい体重減少するのか?
  • 産前と産後に基礎代謝に変化はあるのか?

といった体重・基礎代謝に関する疑問を産婦人科医154名にアンケート調査を実施しました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月10日から同年8月21日にかけて行われ、産婦人科医154名から回答をいただきました。

まずは、妊娠中にどの程度体重が増加するのかについて聞いてみました。

妊娠中の体重増加の目安は10kg前後まで

図1
  • 50代 男性 産婦人科 10kg以上12kg以下
    もともと肥満の方には体重が増えないように指導し、標準の体型の妊婦には10kg程度までの体重増加を目安にしています。15kg以上増加した患者さんには入院指導するようにしています。
  • 60代 男性 産婦人科 10kg以上12kg以下
    最近の考え方は、自由な食事により大きな赤ちゃんを産むことです。過度の摂食は出生時の体重が減少し、その子が大人になるとメタボリックシンドロームになると言われ始めています。
  • 60代 女性 産婦人科 10kg以上12kg以下
    小さく生んで大きく育てるのが原則なので、妊婦が著しく体重増加をすると妊娠中毒症にかかりやすくなる危険性があります。
  • 50代 男性 産婦人科 8kg以上10kg以下
    標準体重以下の方なら7kg以内、肥満の方なら5kg以内の体重増加を目標に指導しています。しかし、飽食の時代である現代は特に太りやすいと言えます。

本調査の結果、妊娠中の体重増加の目安では、「10kg以上12kg以下」が最も多く、次に「8kg以上10kg以下」が多いという結果となりました。
医師のコメントにもあるように、標準体型の場合は10kg以内に体重増加を抑えることが理想のようです。
一方で、体重が増えすぎてしまうと妊娠中毒症などの合併症を引き起こす可能性が高くなるというコメントも見られ、注意が必要です。
赤ちゃんのためにも、ストレスのたまらない範囲で、医師の指導に従い、栄養バランスのとれた食事を心掛けるようにしましょう。

妊娠中の体重増加の目安は10kg前後という結果が出てきましたが、ではこの増えた体重は出産直後にどれくらい減るのでしょうか?
こちらについても聞いてみました!

分娩後の体重減少は平均5kg前後

図2
  • 60代 男性 産婦人科 3kg以上5kg以下
    産後は食欲亢進し、あまり減らない褥婦もいらっしゃいます。
  • 70代 男性 産婦人科 3kg以上5kg以下
    分娩直後では、5kg(胎児、羊水、胎盤、出血)程度減少します。その後、母乳授乳で5kg程減少し、元の体重になる方が多いように思います。
  • 50代 男性 産婦人科 3kg以上5kg以下
    胎児、胎盤、羊水がなくなり、循環血液量が減っても、5kg以上減ることは稀だと思います。
  • 50代 男性 産婦人科 5kg以上7kg以下
    1ヶ月健診の段階では、妊娠前体重に戻っていないことが多くみられます。
  • 50代 男性 産婦人科 8kg以上10kg以下
    中には20kg増えて、すぐにもとに戻る患者もいますが、年齢が高齢になるにつれて、戻りにくくなるようです。
  • 40代 女性 産婦人科 3kg以下
    浮腫等の影響もあり、分娩直後は3kg前後の減少にとどまります。思っていたほど減少していないので驚く方が多いです。

本調査の結果、7割以上の医師が「3kg以上5kg以下」もしくは「5kg以上7kg以下」を選択する結果となりました。
分娩直後の体重の減少は、胎児・胎盤・羊水の分を含めた合計5kg程度の減少のみで、大幅に減ることは少ないという医師の見解がみられました。
中には、産後1ヶ月経っても元の体重に戻らなかった、逆に太ってしまった、といった方もいらっしゃったようです。
やはり、分娩後すぐに妊娠前の体重に戻る、というわけではなく、その後の食生活や運動などが重要になってくると思われます。

最後に、出産後の代謝の変化について聞いてみました!

出産後は「基礎代謝に変化なし」が最も多い回答に

図3

本調査で最も支持された意見は、「出産後に身体の基礎代謝は、あまり変わらない」でした。

「出産後、身体の基礎代謝はあまり変わらない」と回答した医師

  • 50代 男性 産婦人科 
    基礎代謝に大きな変化はありませんが、赤ちゃんの世話等で動いたり、母乳を産生・授乳したりするので、脂肪は燃焼します。
  • 30代 女性 産婦人科
    授乳をする分、必要エネルギーは増えますが、基礎代謝は変わらないと思います。
  • 30代 女性 産婦人科
    授乳時に必要エネルギーは上がるでしょうが、基礎代謝自体には変化がないように思います。

このように「基礎代謝はあまり変わらない」と答えた医師の中には、授乳期間中の代謝の増減が指摘されていたものの、基礎代謝自体には変化がない、という医師が多くいらっしゃいました。
しかし、基礎代謝が上がる派と下がる派の意見もそれぞれありましたので、紹介したいと思います。

「基礎代謝は上がる」と回答した医師

  • 40代 女性 産婦人科
    授乳期は消費カロリーが高くなるので、食事指導も行っています。
  • 60代 男性 産婦人科
    授乳に伴い、基礎代謝量は増加し、食欲は増進すると考えられます。

「基礎代謝は上がる」と回答した医師は、授乳期の消費エネルギーの多さについて指摘していました。

「基礎代謝は下がる」と回答した医師

  • 50代 女性 産婦人科
    耐糖能が戻るのと、授乳中のエネルギー消費が主な理由です。
  • 70代 男性 産婦人科
    妊娠中は代謝がやや高いですが、産後は元に戻ると思われます。
  • 60代 女性 産婦人科
    女性ホルモンが一気に低下し、胎盤由来のホルモンも低下するため、甲状腺ホルモンなども低下します。
  • 60代 男性 産婦人科
    産後1ヶ月後くらいからの適度な運動や規則正しい食生活で代謝を上げるようにおすすめしています。特に骨盤ケアを推奨しています。

「基礎代謝が下がる」と答えた医師は、授乳中の代謝への影響や女性ホルモンの減少による影響を指摘していました。
このように全体を通してみると、産後の基礎代謝については医師のなかでも見解も分かれている印象でした。

妊娠・出産で体重は大きく変化する

本調査の結果、妊娠中に増加する体重の目安は約10kg前後、分娩後に減少する体重は約5kg前後という結果になりました。
基礎代謝については、産前と産後に大きな変化は見られないという意見が最も支持されました。
分娩直後に大きな体重減少が期待できない分、出産後の生活でどれだけ食事や体調に気を使えるかが、早く産前の体重に戻るためのカギになりそうです。

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