マタニティ―マークを着ける妊婦さんは増えてる? 減っている? 産婦人科医130名に聞きました

マタニティマーク
「マタニティ―マークを着用する妊婦さんは増えている?減っている?」という質問に対して、「大きな変化はない」と答えた産婦人科医の方が過半数を占めました。電車などで見かける頻度は以前よりも増した、との意見もありましたが、やはりマタニティ―マークの世間への浸透はまだまだなようです。
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マタニティ―マーク

みなさんは、バスや電車で右のようなマークをつけた女性に出会ったことはありますか?
これは、「マタニティ―マーク」と呼ばれており、2006年より全国の妊婦さんに着用が推奨されたマークなんです。

運用開始から10年以上が経った今、マタニティ―マークを付けている妊婦さんは増えているのでしょうか?
それとも減ってしまったのでしょうか?

今回は、産婦人科医の目線から見るマタニティ―マークの使用状況について産婦人科医136名に聞いてみました!

周囲の妊産婦への配慮を促すマタニティ―マーク

まずは、この「マタニティ―マーク」とは何か?についてご紹介したいと思います。
マタニティ―マークは、

・妊産婦が交通機関等を利用する際に身に着け、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの
・妊産婦にやさしい環境づくりを推進する

※ 厚生労働省HPより引用;「マタニティ―マークについて」

という目的のもと、2006年より運用が開始されました。

続いて、マタニティ―マークに関する知識をQ&A方式で紹介します。

Q マタニティ―マークは一体どこで手に入るの?
A
 平成27年度の厚生労働省の調査によると、ほとんどの市区町村において、原則全員に母子健康手帳交付と同時にマタニティ―マークを配布しているそうです。

Q マタニティ―マークは妊娠時期のいつ頃つければいいの?
A
 一般的には、見た目では妊娠の有無を判断できない「妊娠初期」からの着用が推奨されています。特に、妊娠初期は様々な身体の変化が起きるため、健康を維持していくのがとても難しくなる時期です。そんな時期に「電車で席に座れない」「たばこの煙が気になる」といった苦労を軽減する目的で導入されました。

※ 参考:H27年度マタニティマークに関する取組の状況調査の結果

それでは、産婦人科医136名へのアンケート調査結果を紹介します。

使用者数は実施当初と比べて「変化なし」が圧倒的

図1

本調査では、マタニティ―マークをつけている妊婦さんに「大きな変化はない」と答えた方が65%と最も多い結果となりました。

大きな変化はないと回答した方

  • 40代 女性 産婦人科
    マタニティ―マークを着用していると「お腹をけられるなどの嫌がらせを受けることがある」と聞いたことはありますが、都内ではよく見かけます。
  • 50代 男性 産婦人科
    (マタニティ―マークの)導入当初と変わらず、見かける頻度は少ないです。
  • 60代 女性 産婦人科
    関西のJRを利用していますが、マタニティ―マークを着用している方は今まで一度も見たことがありません。
  • 50代 男性 産婦人科
    マタニティ―マークの存在を、まだあまり知られていないように思います。

「大きな変化はない」と答えた医師のなかでは、元々マタニティーマークをつけている妊産婦の方が少ないという印象があるようで、あまり変化が感じられなかったとの意見が目立ちました。
産婦人科医の側からみると、まだまだマタニティ―マークは世間に浸透しきっていないという印象が強いのかもしれません。

一方で、「マタニティ―マークをつけている妊産婦の人数は増加している」、と回答する医師の方もおられました。

増加していると回答した方

  • 40代 男性 産婦人科
    昔に比べたら、着用する人は増えていると思います。しかし、周囲の人に気が付いてもらえないことも多いようです。
  • 30代 女性 産婦人科
    妊娠初期など外見からは分かりづらい時期は、特につわりがつらいので、マタニティ―マークを着用した方が周囲へのアピールにもなってよいと思います。
  • 40代 女性 産婦人科
    街中で見かけることが以前よりも多くなったように思います。

「増加している」と答えた医師の中には、街中や電車で見かける頻度が増したといった声もありましたが、「社会の受け入れ態勢が整っていない」「周囲の人の理解が足りていない」といった懸念を指摘する声もありました。

なかには、「減少している」と回答した医師の方もおられました。

減少していると回答した方

  • 50代 男性 産婦人科
    個々の病院で、積極的に推奨しているとは感じられないため、妊婦さん自身も知らない方が多いのではないでしょうか。
  • 50代 女性 産婦人科
    SNSなどでマタニティ―マークを着用していると、嫌がらせを受けることがある、という情報が流れたことで、着用する人が減少したと感じました。
  • 60代 男性 産婦人科
    マタニティ―マークの運用開始当初は、着用していた方が多かったのですが、今では病院で配布しても着用しない方がほとんどです。

「減少している」と答えた医師の多くが、マタニティーマークをつけていたことによる嫌がらせを指摘していました。
これらの噂がSNS等で拡散されることにより、マタニティ―マークをつけることに対して警戒心を抱いている妊婦さんも多いようです。

赤ちゃんとお母さんを守るマタニティーマーク

今回実施した、「マタニティ―マークを着用する妊婦さんは増えている?減っている?」という調査に対しては、「大きな変化はない」と答えた産婦人科医の方がほとんどでした。

毎日数多くの妊婦さんを診ている産婦人科医の方々。

そんな医師の目線からみると、「マタニティ―マークの普及」はまだまだな面が多いようです。
しかし、厚生労働省の調査でもあったように、現在ではほとんどの市区町村で母子手帳と同時にマタニティ―マークが配布されています。

「嫌がらせを受けるかも?」「なんだかつけるのは恥ずかしい…」などいろいろ思うところはあるとは思いますが、妊娠初期は特に身体の変化が大きい時期でもあります

赤ちゃんの健康と自分自身の健康を守るという面においても、マタニティ―マークは重要な意義を果たすため、ぜひ普及していくことを期待したいです。

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