出産にかかる費用はいくら?リアルな相場観を産婦人科医150名に聞いてみました

母子手帳とお金
7割以上の医師が、出産には50万円前後を用意した方がいいという回答でした。また、医師の相場観を比較検討したところ、地方に比べて東京の方が出産の費用が多少高いという傾向が見られました。自治体によって助成金が異なる場合があるようで、ご自身の自治体はどういう援助の仕組みになっているのか、あらかじめ確認するのが大事そうです。
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出産は、赤ちゃんを迎える大事なイベントです。
家族が一人増え、これからわが子との生活に胸躍らされることでしょう。
しかし、そんな幸せなときにもついて回るのがお金の問題です。
妊婦検診や出産前の入院、分娩の費用などを合計すると、決して安くはない金額になります。
そこで今回は、出産にかかる費用を産婦人科医に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年9月4日〜9月11日にかけて行われ、産婦人科医155名から回答を頂きました。

地域にもよるが、出産費用は50万円前後

図1
  • 60代男性 産婦人科 50万円以上100万円未満
    妊婦健診費用や出産費用は、自治体により保険により、無視できない差がありますが、それでも原則、自己負担が軽減されています。個室や食事や無痛などの個別の贅沢部分の費用を含めると50万円以上になるかなという感触です。
  • 30代女性 産婦人科 50万円以上100万円未満
    あとから一時金としてある程度戻ってくると思いますが、50~60万程は用意しておいてほしいです。
  • 30代男性 産婦人科 50万円以上100万円未満
    一般的にはこのくらいかかりますが、都内で無痛分娩を行えば100万は超えると思います。
  • 50代男性 産婦人科 50万円以上100万未満
    出産育児一時金が42万円、妊婦健診への助成が9万円前後出ますので、実質的な自己負担は、かかった総額(自治体や医療機関により50万〜100万円)から約50万円を差し引いた額となります。
  • 50代男性 産婦人科 40万円以上50万円未満
    当県では、自治体の援助により妊婦健診が無料になりました。
  • 50代男性 産婦人科 40万円以上50万円未満
    自治体によって異なりますが、妊婦健診は14回程度無料になりますし、出産費用は出産一時金と相殺されるので、公立病院であれば実際に支払う金額は少額です。
  • 60代男性 産婦人科 30万円未満
    分娩手当金が約40万円ありますし、妊婦検診の補助もあると思います。そうすると、自己負担分は30万未満で収まると思います。ただし、私立の病院では様々なオプションで費用徴収するので、もっとかかるでしょうね。
  • 40代女性 産婦人科 30万円未満 
    健康保険にさえ加入していれば出産一時金が支払われるので、入院費、分娩費、市町村の妊婦健診補助で賄いきれなかった検査費用を含めても30万円以内で収まります。

今回の調査では、出産に必要な費用は50万円以上100万未満とした回答が一番多くなりました。
現在は出産育児一時金や、出産手当金などで家計の負担は軽くなるため、補助金や手当金を踏まえると実際の費用負担は30万円以下になるという意見もありました。

一方で、補助金のことは考えずにとりあえず50万円程度は用意しておいてほしいという産婦人科医の意見も見られました。
また、「妊婦健診の補助金は自治体によって異なる」や「都内で無痛分娩を行うと100万円を超える」といったコメントもあり、金額の地域差、医療機関による差も見られるような印象でした。

そこで、東京都と他の地域で医師の相場観に違いがあるのか、今回の結果から調べてみました。

東京は出産にかかるお金も高い!?

東京は日本最大の都市であり、地方に比べ物価も高いイメージがありますよね。
それは出産の費用にも言えることなのか?見ていきましょう。

図2

今回の調査にご協力いただいた21人の東京都の医師のうち、7割が50万円以上100万円未満を選択する結果となりました。
これは先ほどの図1と比べても、価格帯が上昇していることがわかります。
東京都の医師のコメントを見てみましょう。

  • 50代男性 東京都 産婦人科
    現在分娩時の入院費用は60万円程度が一般的だと思います。
  • 40代女性 東京都 産婦人科
    病院もいろいろとアメニティにもこだわられる時代です。
  • 60代女性 東京都 産婦人科
    病室の価格が大きく予算を占めています。
  • 60代男性 東京都 産婦人科
    当院の分娩費用57万円です。

このように、東京では病室の設備や個室料金のため費用が高い傾向になるようでした。
母数は小さいのですが、もしかしたら東京では、最低限の出産のための設備だけでなく、入院中の快適さが求められたり、地価が高いことで個室やオプションの値段が上がったりするのかもしれません。
また、病院が公立か私立かというのも価格に影響を与えるようでした。
一方で、地方の医師のコメントは、以下の通りでした。

  • 30代女性 沖縄県 産婦人科
    当県ではトラブルがないようであれば、出産一時金42万円あるので、分娩費用は基本それ以内で収まります。
  • 50代男性 鳥取県 産婦人科
    田舎では、高すぎてもいけないので、40万程度が一般的です。
  • 50代男性 高知県 産婦人科
    出産手当金などを差し引くと持ち出しは10万円位と思います。

地方は東京の医師のコメントに比べて、金額が低めな印象を受けました。
場所によっては、補助金で出産費用をおおよそ賄える場合もあるようですが、自治体ごとに助成される金額にも差異があるようでした。
妊娠を考えている方は、事前にもらえる額や出産に必要なおおよその費用を調べておくのがよさそうです。

助成金っていくらもらえるの?

さて、ここまで出産費用を医師に聞いてきましたが、その中で出てきた「出産育児一時金」とか「出産手当金」などがどういうものなのか、まだ調べていないという方もいるかもしれません。
そこでこれらについて、簡単にご説明したいと思います。

出産育児一時金

これは、妊婦が出産した際に全国健康保険協会(協会けんぽ)に申請することで受け取ることができるお金です。1児につき42万円が支給されます。
※ただし、産科医療保障制度に加入していない医療機関等で出産された場合は40.4万円が支給されます。
一応受け取る条件はありますが、出産が成功していればもらえるようです。

出産手当金

これは、出産のために会社を休んでいて、その期間の給与の支払いを受けなかった場合に支給されるお金です。
こちらも全国健康保険協会(協会けんぽ)に申請することで受け取ることができます。
受け取れる金額は一定ではなく、会社を休んだ期間や、過去1年間でもらっていた月収の平均額などから算出されます。

その他

他にも、分娩時に何らかの理由で赤ちゃんが脳性麻痺となったときの保障である産科医療保障制度や、自治体ごとに妊婦健診に対する助成金などもあります。
ご自分の自治体の制度がどのようになっているか、あらかじめ確認しておきましょう。
また、出産育児一時金や出産手当金などについてもっと詳しく知りたいという方は、以下のサイトをご覧ください。

<参照・参考>

公益財団法人 生命保険文化センター -出産や育児への公的な経済支援を知りたい

全国健康保険協会 -子どもが生まれたとき

全国健康保険協会 -出産で会社を休んだとき

厚生労働省 -産科医療保障制度について

公益財団法人 日本医療機能評価機構 -産科医療保障制度の概要

出産費用の準備は、あらかじめ計画的に

ここまで読んでいただいて、出産にだいたいどのくらいの費用がかかるのか、お分かりいただけたと思います。
現在は公的な援助も充実してきており、少しホッとされた方もいるのでは?
しかし妊娠中や出産時には、何が起こるかわかりません。
意外なところで出費することも考えられますので、出産のための費用は十分に確保しておいてから出産に臨むのが大事そうです。

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