ポイントは「下っ腹の痛み」と「不正出血」! 子宮外妊娠のリスクについて産婦人科医150名に聞きました

お腹を押さえる女性
子宮外妊娠の方が受診するきっかけについて、「下腹部痛」を選んだ医師が最も多く、続いて「妊娠検査薬陽性」、「不正性器出血」、「無月経」の順に回答が集まりました。また、子宮外妊娠のリスクは、「性感染症・骨盤腹膜炎の既往」、「子宮外妊娠の既往」が挙げられていました。
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子宮外妊娠という病気を聞いたことがありますか?
日本産科婦人科学会の雑誌によれば、以下のように説明されていました。

子宮外妊娠は,受精卵が子宮内膜以外の場所に着床することをいい,着床部位により卵管妊娠,卵巣妊娠,腹腔妊娠,頸管妊娠に大きく分けられる.
(中略)
妊娠の診断を行ううえで,正常妊娠と子宮外妊娠や流産などの異常妊娠を鑑別することは非常に重要である.特に子宮外妊娠はごく初期に診断することにより,生命に危険を及ぼす腹腔内大出血のような緊急事態を回避することができる.

引用:子宮外妊娠・頸管妊娠

このように子宮外妊娠は、お母さんの命に危険がおよぶ怖い病気のようなのです。
今回は、そんな怖い子宮外妊娠の受診と原因について産婦人科医にアンケート調査を行いました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイト「MedPeer(https://medpeer.jp/)」にて2017年8月7日から同年8月10日にかけて行われ、産婦人科医157名から回答をいただきました。

まずは、子宮外妊娠の方は、どんな症状やきっかけで受診するのか聞きました。

腹痛・妊娠検査薬陽性・出血・無月経など多彩な状況で受診

図1
  • 60代男性 産婦人科 下腹部痛を主訴に受診
    下腹痛の主訴が多いですが、手順としては妊娠反応、同時に超音波検査です(もちろんショックで搬入される重症例もありますが)。
  • 50代男性 産婦人科 下腹部痛を主訴に受診
    下腹部痛で来院する卵管流産、ショックで来院する卵管破裂、妊娠検査陽性の無症状、この3パターンが多いです。
  • 50代女性 産婦人科 下腹部痛を主訴に受診
    子宮外妊娠という言葉は日本産婦人科学会では異所性妊娠という言葉に変わって数年たっています。
  • 50代男性 産婦人科 妊娠検査薬陽性で受診
    最近は、妊娠初期に、早期に受診される方が多くなっているので、外妊の症状のでないうちから、診断できるケースが圧倒的に多くなりました。
  • 60代女性 産婦人科 妊娠検査薬陽性で受診
    最近は妊娠の初診が早くなり、診断に時間を要することが多いです。反対に全く放置で不正出血・腹痛、果てはショックで受診する人も一定数います。
  • 40代女性 産婦人科 妊娠検査薬陽性で受診
    最近は、無症状が多いですが、以前は下腹部痛、無月経、不正出血、ショック状態全て経験したことがあります。
  • 60代女性 産婦人科 不正性器出血で受診
    下腹部痛と不正性器出血がキーワードです。本人は妊娠を疑っていないことが多いと思います。
  • 60代男性 産婦人科 不正性器出血で受診
    腹痛もあり、ほぼ無月経の人もおり、多彩な症状があるから要注意だと思います。
  • 40代女性 産婦人科 無月経で受診
    ほとんどが生理の遅れで受診されて、胎嚢がみえないことでの診断です。

子宮外妊娠の方が受診するきっかけについては、「下腹部痛」を選んだ医師が多く、次に「妊娠検査薬陽性」「不正性器出血」、「無月経」が続きました。
「腹痛もあり、ほぼ無月経の人もおり、多彩な症状がある」という指摘もあるように、アンケート調査を見る限りは、いろんな状況で受診されるようでした。
なかでも多かったのは、「早期に受診される方が多くなり、症状が出ないうちから子宮外妊娠を診断できるケースが増えた」という意見です。
つまり、早い段階で妊娠検査薬を使って陽性になるため、症状がなくそのまま受診、そこで子宮外妊娠が発覚するというパターンが最近は多いというコメントでした。
しかし、「全く放置で不正出血・腹痛、果てはショックで受診する人も一定数います」というコメントもあり、ケースバイケースのようです。
ちなみに、私たちからすると「子宮外妊娠」が聞き慣れた名称ですが、現在、日本産婦人科学会では「異所性妊娠」という名称に変わっているという医師の指摘もみられました。

次に、子宮外妊娠はどんな方がなりやすいのでしょうか?
こちらも聞いてみました。

過去に性感染症・骨盤腹膜炎、子宮外妊娠をしているとリスクが高い

図2
  • 60代男性 産婦人科 性感染症、骨盤腹膜炎の既往
    印象としてはクラミジアなどの性感染症を思わせるような索状の癒着が多いと思います。
  • 40代女性 産婦人科 性感染症、骨盤腹膜炎の既往
    子宮外妊娠をきっかけにSTD(性感染症)が見つかることが多いです。高齢では不妊治療です。
  • 50代男性 産婦人科 性感染症、骨盤腹膜炎の既往
    性感染症、骨盤腹膜炎の既往による卵管疎通性不良が多い気がします
  • 50代男性 産婦人科 性感染症、骨盤腹膜炎の既往
    (リスクが高いのは)クラミジア感染症、子宮内膜症、子宮外妊娠の既往、の順と思います。
  • 40代男性 産婦人科 子宮外妊娠の既往
    必然的に子宮外妊娠の既往のある人はハイリスクと考えます。
  • 60代男性 産婦人科 子宮外妊娠の既往
    卵管を温存する手術をしても再度子宮外妊娠となり摘出する場合もあります。

子宮外妊娠のリスクは、「性感染症・骨盤腹膜炎の既往」を選んだ医師が最も多く、次に「子宮外妊娠の既往」が挙げられていました。
コメントからは、クラミジアをはじめとする性感染症が子宮外妊娠のリスクになるようです。
他にも、「一度子宮外妊娠をおこすと反復して起こす」といったコメントや、高齢妊娠の場合だと不妊治療も子宮外妊娠のリスクになりうると言及した医師もいました。

 

子宮外妊娠には、いろいろな受診動機・リスクがある

本調査によれば、子宮外妊娠の方が受診するきっかけについて、「下腹部痛」を選んだ医師が最も多く、続いて「妊娠検査薬陽性」、「不正性器出血」、「無月経」の順に回答が集まりました。
子宮外妊娠のリスクは、「性感染症・骨盤腹膜炎の既往」が最も多く、次に「子宮外妊娠の既往」が挙げられていました。
子宮外妊娠は、いろいろな受診動機・リスクがある危険な病気であり、本記事が参考になれば幸いです。

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